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日本の3映画が受賞逃したわけ
 今年のヴェネチア映画祭は、コンペティション部門に3本の日本映画が選ばれたことで大きな話題となったが、それぞれが協賛団体の出す小さな賞(『アキレスと亀』がバストーネ・ビヤンコ賞、『崖の上のポニョ』がミンモ・ロテッラ賞、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』がフューチャー・フィルム・フェスティバル・デジタル・アワード)を受賞しただけで、本賞の方に引っかかることはなかった。それは、新人を顕彰する役割に変わってきた最近の映画祭の傾向と、審査員の顔ぶれを見れば、ある程度予測がついたことだった。

 3作品はそれぞれ評価が高かった。特に『崖の上のポニョ』はヴェネチアの観客、ジャーナリストを満場一致で魅了したが、名誉金獅子賞の受賞者である宮崎駿は最初から別格であって、他作品と賞を競わせる考えは審査員の頭になかったろう。

 金獅子賞の“The Wrestler(レスラー)”は、コンペ部門の最後の作品として上映され、ミッキー・ロークの圧倒的な存在感で観客をノックアウトし、その勢いのままゴールしてしまった。キャスリン・ビグローの『ハート・ロッカー(原題)』も評価が高かったが、宮崎駿と同じ理由で、彼女も、そしてデミも賞の対象にはならなかった。

 監督賞と撮影賞を受賞したアレクセイ・ゲルマンJr.の“Paper Soldier(ペーパー・ソルジャー)”は、世界初の有人宇宙ロケットの打ち上げ現場を舞台に、飛行士の健康を管理する若きドクターの苦悩を描いたもの。私は『惑星ソラリス』との類似が気になったが、父親(アレクセイ・ゲルマン)ゆずりのスケールの大きな画と長回しでゆったりと移動する映像は、昨今のHD撮影による“私的”な画像にはない豊かさがあった。

 審査員特別賞と脚本賞を受賞したハイレ・ゲリマの“Teza(テザ)”には、ドイツ留学からエチオピアの故郷の村に帰った主人公が、軍事政権による迫害で疲弊した現実に直面する姿を描いたもの。グラウベル・ローシャのような大地から溢れだすパワーと、エチオピアの自然に圧倒された。

 プピ・アヴァティの“Il Papa di Giovanna(ジョヴァンナの父)”は、殺人を犯して刑務所に入れられた娘を、戦中、戦後を通して愛し続ける父親の姿を描いたもの。シルヴィオ・オルランドの演技には定評があり、男優賞の受賞は不思議ではないが、ミッキー・ロークの存在が大きすぎて、この受賞には最も異論が多かった。

 ヴェルナー・シュローターの“Nuit de Chien(犬の夜)”は、戦いに勝利した軍がすぐそこまで迫ってきている無政府状態の港で、脱出する船の切符を求めて、負けた側の者たちが繰り広げるパワーゲームを描いたもの。鬼才らしいアイデアが詰まっていて、とても面白かったが、やはり、まったく別次元の作品なので、特別獅子賞を特設したのは、ミュンヘンの映画学校時代の元同級生(ヴィム・)ヴェンダースらしい配慮だと思う。

 マルコ・ミューラーがインタビューで語っていた通り、今年は世界の映画界を俯瞰するような作品が集められた。受賞した“Teza(テザ)”だけでなく、マルコ・ベキスの“BirdWatchers(バードウォッチャーズ)”やアルジェリアのタリク・デグィアの“Inland(インランド)”、トルコのセミヒ・カプランオウルの“Milk(ミルク)”などが見られたことは収穫だった。その一方で、メジャーなハリウッド作品がなかったことが映画祭の華を欠いたようにも思う。映画はアートであると共にエンタテインメントでもある。この2つの間で舵取りをしなければならない映画祭の難しさを感じた年だった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080908-00000005-vari-ent



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