西武の渡辺久信監督(43)は25日、北京五輪野球の準決勝と3位決定戦で3失策をしたG・G・佐藤外野手(30)に対し、当初の予定を変更して26日の楽天戦(西武)から「5番・ライト」でスタメン起用すると明かした。 まさに“逆療法”だ。指揮官は23日の3位決定戦後「登録はするけど試合に出るかどうかはわからない。DHの可能性もあるけど心が相当やられているはず」と語っていたが“再生方法”を考え直した。 変心の理由は、配慮が逆効果となる可能性があからだ。指揮官は「泣きそうな子に優しくすると、逆に大泣きしてしまうことがある」と独特の言い回しで説明。「今まで通り5番・ライト。DHとかにすると、逆に本人が(守備を)気にしてしまう」と、普段通りの環境をつくり、シーズンに再び集中させる方針を示した。 五輪期間中、代役として打率・370の活躍を見せたボカチカが右肩と背中を痛め、守備に就けないという事情もあるが、グラウンドでの借りはグラウンドで-という考えだ。また、当初のプラン通りチーム付きの鉾山丕(ほこやま・はじめ)メンタルトレーナーによる精神面のケアも行われる可能性もある。 指揮官が「心の肉離れを起こしている」と心配する大砲は、この試練を乗り越えられるか-。